年賀状には、普段なかなか会えない友人、知人との関係を繋いでくれる役割がありますよね。普段会っていない分、用事も無いのにメールや電話もしづらいところ、年賀状ならば近況報告も相手へのメッセージも気負わずに出せます。
相手の方が海外在住の日本人や外国人の場合、顔を合わせることは本当に難しくなりますから、海外にこそ年賀状を出したい!という方も多いのではないでしょうか。
海外にも日本の年賀状をエアメールとして出すことができます。宛名の書き方や各地域での年賀の挨拶事情などをご紹介しますので、海外宛てに年賀状を出したい方は是非参考にしてみてください。
海外の方に年賀状を出してもいいの?
新暦の1月1日を祝日として新年の挨拶状を送るのは、とても日本的な風習です。新年よりもクリスマス、または新年は祝うけれども旧暦で、など国民的なお祝いの日は地域や宗教により日本とは違うことが多いのです。
では、ぴったり1月1日でお祝いしない方たちは、年賀状を受け取ったら迷惑してしまうでしょうか?その心配はありません。クリスマスカードや春節のカードなど、年に一度の挨拶状を送る習慣はありますので、日本はお正月なのだと理解してもらえるでしょう。
相手の方の地域の風習に合わせてクリスマスカードなどを送るのも素敵です。ただし、こちらから最初に送る場合は相手の方の宗教や習慣が分かりませんので、宗教の関わらない年賀状が無難かもしれません。
年賀状の日本らしいデザインや筆書きの賀詞などは、外国の方には喜ばれることも多いようです。ご連絡してみたい気持ちがあるのなら、遠慮せずに年賀状を出してみると良いのではないでしょうか
世界の年賀状事情
日本的な「年賀状」とは様子が違いますが、クリスマスや旧正月も同じ冬の時期ですし、お相手の方の状況に合わせて早めに出す、遅めに出すという判断をしたいときもあるでしょう。大まかに欧米、アジア、イスラム圏の3地域に分けてみます。
欧米
カードのやり取りが行われるのは12月、お祝いされるのはクリスマス、ハヌカ、クワンザです。
クリスマス:キリスト教、12月25日
ハヌカ:ユダヤ教、12月中旬
クワンザ:アフリカ系アメリカ人の民族行事、12月26日
早ければ11月の最終週ぐらいからカードが届き始め、12月の最後の週ぐらいまで、届いたカードは暖炉の上などに飾って楽しみます。
カードの他に、印刷で家族の一年の出来事を綴った1~2ページの手紙がついていることが多く、日本の年賀状より内容が詳細な印象です。また、来年一年の幸福を祈る言葉で結んだり、カードにも印刷されていたり、日本の年賀状に近い内容も含まれています。
アジア
中国、台湾、韓国など東アジア圏では、旧暦のお正月(中国なら春節)にカードを送り合う習慣があります。
韓国は新暦のお正月も祝うので1月~旧正月の時期まで、長期間カードのやり取りが行われています。またキリスト教徒人口が多く、クリスマスカードを送る方も一定数いるそうです。
イスラム圏
イスラム圏では、新暦でもイスラム暦でも新年を祝う習慣はありません。大きなお祝いとしては犠牲祭やラマダン(断食)明けのお祭りがありますが、イスラム暦で日にちが決定するため、日本人には時期を合わせるのは難しいかもしれません。
イスラム教徒の方に太陽暦の新年を祝って季節の挨拶状を出すことは、問題ありません。だし偶像崇拝が禁止されていますので、絵柄には注意が必要です。人物はもちろん、動物も描かない方が良いので、干支の絵が入った年賀状は避けるようにしてくださいね。
年賀状を海外に出すためには何をしたらいい?
年賀状をエアメールで出す時の書き方、料金
年賀状を海外に出す時にも、特別な葉書を買ったり封筒に入れたりする必要はありません。普通に用意した年賀はがきを使い、表面(宛名)の書き方をエアメール用にすれば、ポストに投函するだけで海外に届けてもらえます。
葉書を切手が右上に来るよう、横向きに使います。一番上にPost Cardと書き足してください。差出人の住所氏名を左上、宛名を下側の中央に書きます。空いたスペースのどこかに「Air Mail」と書きます。
エアメールの料金は、葉書に関しては全世界一律で70円です。差額分の7円の切手を貼りましょう。
住所などは英語かフランス語、または現地語で書きます。国名だけは仕分けのために英語やフランス語にする必要があります。
年賀はがきをそのままエアメールに使うことはできるのですが、海外にお年玉くじの引き換え場所がありません。お正月らしさを感じて頂くのには良いので、普通のはがきや私製はがきを使うかは、お好みで決めてくださいね。
年賀状が届くのに必要な日数
年賀郵便として1月1日に届けてくれる制度は、日本国内だけで行われているものです。年賀はがきを使っても、「年賀」と書き加えても、海外宛ての郵便物ならば通常の郵便物と同じ条件で配達されます。
日本人に出す場合など、出来れば元旦にお届けしたいものですが、配達指定が出来ないので少々難しいかもしれません。場所により4〜14日程度かかることを考慮して、日本の年賀状引受期間の最終日、12月25日の投函では元旦に間に合わない国もあると覚えておきましょう。
英語で年賀状を書くための例文
外国人の知人、友人に年賀状を書く場合、英語で「あけましておめでとう」などの決まり文句をどう書けば良いのかが気になりますね。
「Happy New Year」は和製英語などではなく、英語としてきちんと使えます。「Happy New Year 20XX(20XX年 あけましておめでとう)」や「Happy New Year of Ra(ネズミ年あけましておめでとう)」のように、年の情報を加えることもできます。
少しフォーマルに書き出すならば、仕事関係の方にも使える定型表現を使いましょう。本文 や結びで何度もNew Yearと書きそうな場合にも、この表現を覚えておくと便利ですね。
Let me express the greetings of the season.
(季節の[=新年の]ご挨拶を申し上げます)
日本語や英語の賀詞が印刷されているなどの理由で添え書きは普通に書き出した場合、クリスマスカード等と同じように良い一年を祈る言葉で結ぶこともできます。
I hope you have a happy/great New Year.
(良い一年となりますよう、願っています)
All the best for the New Year.
(新しい一年のご幸運をお祈りしています)
「new year message」などで検索をかけると、参考になる文章がたくさん見つかりますが、一点だけ注意が必要です。クリスマスカードの最後に使う前提で書かれていて、「来年」を表すthis coming yearやnext yearという言葉が使われているかもしれません。
年内に届くように投函する場合は良いのですが、お正月に合わせて投函している場合は this yearやNew Yearに変更するのを忘れないようにしましょう。
まとめ
7円分の切手の追加と宛名をきちんと書くだけで、エアメールにもできる年賀状。海外の日本人の方にお正月気分をお届けするのも良いですし、外国人の方と文化交流を楽しむのも喜ばれそうです。出してみたいと思ったら、思い切ってエアメール年賀状を出してみませんか?